高速、高加速時でも、驚異的な滑らかな動きを実現

高速対応テレスコカバー

高速対応テレスコカバーは、独立したトランスミッション・ドライブで構成されるモジュールを採用することで、カバーの平行度を保つと共に、個々のテレスコボックス間の動作が一層スムースに。
これにより、全テレスコボックスの同加速、同スピードでの作動を可能にしています。また、個々のテレスコボックスの伸縮幅が均一に保たれるため、高速、高加速時においても、驚異的なほどの滑らかな動きを実現いたします。

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特徴

■加速度2Gの条件下においても、伸縮速度120m/minまでの機器の動作に与える影響を最小限に抑え、最良の環境を提供します。
■テレスコボックスの連結数に関係なく、全作動領域で同様の効果をもたらします。
■先進のトランスミッション技術により、同使用条件下において、従来のカバーと比較し、プロダクトライフを延ばすことが可能になりました。

設計仕様

  1. ①カバーボックス カバーボックスは特別仕様の鋼板を使用し、板厚は、1.6mm、2.3mm、3.2mmの3種類を標準としています。板厚の選択は、カバーの寸法と必要強度によって決定します。
  2. ②ワイパー エノモトビーエー・ヘニックの特製ワイパー(ポリウレタン材)をカバー上面に使用しています。設計上の必要に応じて側面にも使用します。ワイパーの耐熱性は-40℃~+100℃を標準とし、油性及び水性の切削液に対しての耐性も充分です。
  3. ③ワイパーカバー C型タイプのへニック標準ワイパーには、高温の切粉からワイパーリップを守る金具がセットされています。ワイパーリップは金具にはめ込み式になっていますので、交換が容易です。
  4. ④抱き込み構造 エノモトビーエー・ヘニックのカバーは、原則として両端が摺動面の裏側に向かって折れ込んでいる、いわゆる「抱き込み構造」になっています。  この方式をとることによってカバーの各々のボックスは正確な相互関係をもって組み合わされることになり、ワイパーに設計値通りのテンションをかけることができるわけです。もちろん、置き重ね構造のカバーも設計できますが、この場合、カバーボックスの各々の自重が充分で、ワイパーが適当なテンションで圧しつけられ、かつ、カバー自体が持ち上がってしまわないように考慮することが重要です。従ってこうした置き重ね型は、大型のカバーのみに採用しています。
  5. ⑤⑥⑦ ガイドシュー及び支持用ローラー 小型及び中型のカバーには樹脂または真鍮製のガイドシュー6を使用しています。大型で重量のあるカバーには、摩擦抵抗を減らすため、ニードルベアリングまたはニードル入りジュラコン樹脂ローラーを使用いたします。
    ※注意 ガイド方式にニードルベアリングを採用する場合、摺動面に焼き入れがされていない機械においては、クリアランスカットを設けるか、あるいは、摺動面に並んで別の支持レールを設けることをおすすめしています。
  6. ⑧点検口 摺動面、スピンドル、その他メンテナンスを必要とする部分の点検のため、カバーボックスの最終段に、点検口をつける仕様もあります。この場合、カバーを縮めた時点の最小寸法は、当然増加しますのでご注意ください。ご要望によってはヒンジ付の点検口、または、透明な点検口の取り付けもできます。
  7. ⑨吊り金具 自重100kg以上のカバーには、取り外し可能の吊り金具をつけ、取り扱いを容易にしています。
  8. ⑩ブラケット カバーが最も縮まった状態において、工作機械の設計上摺動面に余裕がない場合、図に示すようなブラケットを使用します。この場合、摺動面のブラケットの継ぎ目の部分が、カバーの動きを制約しないよう設計することが重要となります。
  9. ⑪クリアランスカット 焼き入れしていない摺動面の場合、支持用ローラーの相手として支持用レールあるいはクリアランスカットが必要となります。
    ※オプション ノンスキッドプレート(縞鋼板) オプションとして、カバーボックスの最終段にノンスキッドプレートをつけるとことができます。別途ご相談下さい。

エノモトビーエー・へニックのテレスコカバーの特徴を生かすために

カバーの形状は保護されるべき部分の形状に合わせて設計されるべきであるとエノモトビーエー・ヘニックは考えます。工作機械にマッチした、機能的でシンプルなカバーをご提供させて頂くため、設計初期の段階で、弊社にご相談いただくことをおすすめいたします。

設計上の考え方とコストについて

テレスコカバーの最小寸法(縮んだ状態)がどれくらいになるかということは、気になる要因のひとつです。コスト面から見た一般論を言えば、ボックスユニットの数が少ないほうが経済的にできます。 このようにそれぞれの要因から検討を進めて、最も効率のよい設計にするためにも、初期計画段階からご相談いただくことが重要なポイントになります。 そして、設計上カバーの最小寸法を非常に小さくする必要がある場合、各ボックスユニットの長さは当然小さくなり、相互間のバランスをとることが難しくなります。この場合、弊社ではパンタグラフ方式ガイドシステムを採用しています。この方式の採用によって各ボックスユニットはバランスを保ちながら、そろった伸び縮みをするようになり、トラバース速度の速い機械においても滑らかに動くようになります。 ただし、この設計ではカバーの摺動面上からの合計高さが大きくなりますので、ご注意ください。

取付及びメンテナンス

「取付け及びメンテナンスマニュアル」をご参照ください。なお、テレスコカバーは少なくとも週に1回清掃し、給油してください。

カバーの形態、断面について

カバーの形態および断面図例

カバーの形態および断面図例

カバーが縮んだ状態の形状

【1】ステップ型(図A)、【2】ステップレス型(図B)の2種類がありますが、当社ではステップ型をおすすめしています。
その理由は、ステップ型の場合、切粉の侵入によってワイパーが損傷することが少ないからです。
従ってスペースに制約のある場合のみ、ステップレス型※を採用することにしております。
※ステップレス型…カバーボックスの板厚が1.6mmの場合のみ

クロスレールコラム用(図C)及びバーチカルコラム用(図D)のテレスコカバーは、「抱き込み構造」を持つガイドシューを使っています。このようなコラムに使うカバーをご希望の場合は、カバーの組み込み方法について、【a】コラムエンドから滑り込ませる組立式となるか 【b】正面から取付組立方式になるかのいずれかをご明示ください。

  • Aステップ型ステップ型
  • Bステップレス型ステップレス型
  • Cクロスレールコラム用クロスレールコラム用
  • Dバーチカルコラム用バーチカルコラム用

カバー断面の形態例

  • 形態例1
  • 形態例2

見積に下記寸法が必要ですので、ご連絡下さい。

V 機械スピード K 干渉物の高さ
B ガイドウェーの幅 Bh(=H3) ガイドウェーの高さ
E カバーのオーバーハング Z 折りたたんだ時の長さ(取付時MIN)
F ガイド溝の深さ H ストローク
F1 ガイド側面からガイド溝 h ワイパー等 干渉物の高さ
F2 ガイド溝の幅 t ワイパー等 干渉物の厚さ
S カバーの全幅 YS 縮み余裕
H1 カバーの全高 YL 伸び余裕
H2 ガイド面からカバー上面までの寸法 Type 水平、クロス、コラム

安全注意事項

「安全に関する基本事項」を熟読し、理解した上で作業を行って下さい。
また、本書の安全注意事項は、危険(DANGER)・警告(WARNING)・注意(CAUTION)の3つのレベルで記載されています。必ず遵守して下さい。

危 険
(DANGER)
取り扱いを誤った場合、使用者が死亡または重傷を負う危険が切迫した状況
レベル 安全注意事項
危険 テレスコカバー可動区域の1m以内に入り込まないで下さい。
警 告
(WARNING)
取り扱いを誤った場合、使用者が死亡または重傷を負う可能性がある状況
レベル 安全注意事項
テレスコカバーの上面に乗る場合は作業者が滑り転倒するのを防ぐため、油・水・埃などは充分拭き取って下さい。
注 意
(CAUTION)
取り扱いを誤った場合、
使用者が重傷を負う可能性がある状況及び物的損害に至る結果となる可能性のある状況
レベル 安全注意事項
注意 テレスコカバーに取り付けられている表示銘板を着色したり、汚したり、改変したり、取り外したりしないで下さい。
表示内容が読みにくくなった時は、新しい物を取り寄せ元の位置に必ず貼り直して下さい。

テレスコカバーの警告ステッカー

警告ステッカー

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